冷凍ズワイガニの賞味期限はどのぐらいなのか?

【生冷凍したズワイガニ】

生冷凍したズワイガニの賞味期限は一般家庭の冷凍庫保管で、おおよそ1カ月程度が目安となります。生冷凍したズワイガニは解凍後、出来るだけ早く食べるのがおすすめです。解凍後わりと短時間で黒く変色する黒変という現象が起こります。

【ボイル冷凍したズワイガニ】

ボイル冷凍したズワイガニの賞味期限は一般家庭の冷凍庫保管で、おおよそ1カ月程度が目安となります。ボイル冷凍したズワイガニは解凍後1日~2日間が賞味期限目安となります。

一般家庭の冷凍庫では冷凍したズワイガニはおおよそ1カ月程度の賞味期限となりますが、通販業者などの使用している業務用冷凍庫で冷凍保管された場合は、一般家庭の冷凍庫保管に比べ格段に長く1年以上の保管も可能です。

その理由は、一般家庭の冷凍庫は-18℃程度の保管温度であり、開閉も頻繁に行われ温度維持が難しいのに対し、通販業者などの業務用冷凍庫は開閉も少なく、冷凍庫温度も-30℃以下(業者によって異なります)などであるため、賞味期限1年以上でも可能だったりします。

冷凍ズワイガニの賞味期限が切れても食べれるの?

通販業者などの冷凍庫だと1年以上持つとご説明させて頂いた通り、ご家庭でも保管方法次第では賞味期限が切れても問題なく食べることが出来ます。しかし、一般家庭では通販業者などと同じような保管条件を維持することは難しいため、おいしく食べるためには1ケ月以内を目安にすることがおすすめです。

水はご存知の通り0℃で凍結しますが、ズワイガニは塩分等を含んでいるため凍結温度は低くなります。これは、氷点降下(氷になる温度が下がること)という現象です。塩水では濃度が高くなるにつれ、氷点降下が大きくなります。飽和溶液になるとマイナス21.3℃まで凍りません。

もちろん、ここまで塩分が高いってことは無いので、まだ高い温度で凍結します。ですが、一般家庭の冷凍庫は-18℃であり、開閉も頻繁に行われるため-18℃を維持することは難しく、凍結が緩んだりしてしまうこともあり、どうしても傷みやすくなります。

細菌の多くは10℃以下で増殖は遅延します。また、-15℃以下では増殖は停止しますが、死滅しているわけではなく、温度が上昇すると増殖し始めます。

とはいうものの、基本的には一般家庭の冷凍庫でも、多少の温度変化があるとはいえ、急激に細菌が増殖するとは考えにくいため、冷凍ズワイガニが少しぐらい賞味期限を過ぎたからといって食べれない状態になることは、ほとんど無いと思います。

賞味期限とは一般的に美味しく食べれる期間の意味でもありますからね。消費期限ならこれは別問題です。

しかし、賞味期限が切れてしまったものは、自己判断、自己責任ってことになります。保管期間中にどのような環境であったかを考え判断することが大切です。ズワイガニは傷みやすい食材です。もし、心配であれば食べることは避けておいた方がいいでしょうね。私はボイル冷凍ズワイガニなら数カ月程度ならたべちゃいますけど(笑)、生冷凍のズワイガニとかだと、怖いのでちょっとやめておくかもしないですね。

冷凍ズワイガニは冷凍焼けで徐々に美味しくなくなる

長期間の保管は、食中毒などといったリスク以外にも、冷凍ズワイガニは冷凍焼けと言われる、品質劣化が起こります。これは、冷凍食品全般的に起こる現象です。私は、多くの通販業者の発送後の賞味期限が、おおよそ1カ月程度で設定されている理由には、この冷凍焼けもあります。通販購入した冷凍ズワイガニを美味しく頂くためには、冷凍焼けさせないことが大事です。

冷凍焼けとは

冷凍焼けは冷凍している食材が傷んでいく現象です。その原因は『昇華』と『酸化』によるものです。『昇華』とは固体が液体になることなしに、直接気体になることです。冷凍してるときにこの昇華が起こり、食材内の水分が減少していきます。食材は冷凍されているため、水分がなくなったところに空洞ができ、そこに空気(酸素)が入ることで酸化の現象がおこります。たんぱく質や脂肪分等が酸化されることで、食材が変色したり、風味を損なったり、食感がわるくなったりします。また、冷蔵庫内の空気を取り込んでしまうため食材に冷凍庫の匂いがついたり、水分が減ってきているので食材がパサパサした食感になったり、縮んだりもします。

家庭用冷蔵庫では、どうしても温度変化が避けられないため冷凍焼けが進むのが早くなります。ズワイガニはプリッとしたみずみずしい食感のあるものがやっぱり美味しいですよね。通販購入した冷凍ズワイガニは、この冷凍焼けが起こる前に早く食べるのがおすすめです。冷凍しているんだからと油断して長期間保管していると、せっかくの美味しいズワイガニも冷凍焼けでパサパサしてしまい、風味も損なわれてしまいますよ。

4カ月以上家庭用冷蔵庫で冷凍保管したズワイガニの状態

ボイル冷凍ズワイガニを冷凍庫に入れて忘れてしまって、気が付いたら4カ月以上経過。捨てるは勿体ないので解凍して様子を見ることにしました。写真の通り、霜だらけになってしまっていました。

解凍してみると色は黄色っぽく褐変し、身も細ってパサパサになっています。食べてみましたが、カニの身の回りの赤みがある表面部分がすごく硬くなっていました。

冷凍焼けしてしまったズワイガニのおすすめの食べ方

冷凍焼けしてしまったからと言ってズワイガニが食べれなくなるといったことはありません。食感、風味は損なわれますが冷凍焼けしただけであれば腐敗している訳ではないので食べることは可能です。

しかし、長期間保管して冷凍焼けしてしまったズワイガニはパサパサした食感になり、身も固くあまり美味しいと言えるものではないですね。でも、せっかくのズワイガニを捨ててしまうのはもったないですよね。

冷凍焼けしてしまったズワイガニは身の食感を楽しむといった食べ方は諦めてカニの風味や出汁を楽しむといった食べ方がおすすめです。具体的には、私のおすすめは、チャーハンの具にする方法や味噌汁、スープの風味付けに使用する方法ですね。酸化によって風味も多少は損なわれていますが、冷凍焼けの状況に応じて、うまく使用量を調整することでカニの風味を生かした料理にすることは可能です。

先ほど紹介した、4ヶ月以上冷凍保管してしまったズワイガニですが、そのときはチャーハンにして食べました。しっかりとズワイガニの風味、味がして美味しく食べることができましたよ。その時作ったカニチャーハンの写真です。

長期保管していたものが食べれますって事ではないので勘違いしないように。冷凍焼けしているだけであれば、食べることは可能です。でも、賞味期限が切れたものを食べるのは、腐敗していないかなど状態、安全性をしっかり確認して食べましょうね。何があっても自己責任になっちゃいますからね。